マンションに防音工事を施せば楽器を演奏できる？リフォームのコツを紹介

ピアノなどの楽器をマンションで演奏するのは、ご近所との兼ね合いもあり、諦めている方も多いかも知れません。

しかし、防音工事を施せばマンションでも問題ないと言う意見も多数あるのが事実です。

そこで今回は、気になる防音工事の効果や、遮音性を高めるための工夫についてみていきましょう。

 

１．防音工事の効果はどこまであるの？

防音工事の効果は、使用する資材や施工方法によって大きく異なります。

日常生活の音を遮断するのと、ピアノのような大音量の楽器に対策を施すのでは、求められる工事内容は変わってくるのです。

 

例えばピアノは100dB程度の音を発しますが、これは一般的に電車が通過する時と同じレベルと言われます。

これを隣の住民にも、気にならないレベルに低減することは、専門的な技術と資材が欠かせません。

 

対策を検討する際、チェックしておきたいのがD値と呼ばれる指標です。

これは遮音性を評価する時に大切。ピアノは何もしなければ「D-15」クラスで、大変うるさく聞こえます。

 

楽器演奏をするなら、「D-50」程度の少し聞こえるレベルまで遮音するのが一般的。マンションでしたら左右・上下の住民と隣り合わせですから、「D-60」あたりを目指すことも多いでしょう。

 

防音工事を考える際は、ニーズに応じて、どれくらいの防音性能を求めるかをしっかりと決めておくことが大切です。

趣味で弾くのか、プロや音大生が本気で練習するのかでも違ってきます。

 

プロの方などでは長時間あるいは夜間の演奏を行うことが多いため、さらにハイクオリティーな施工が望ましいでしょう。

工事の際には、D値を含めて、防音について詳しく説明できる、ノウハウがある業者に相談するのがおすすめです。

 

特に漠然とした説明しかしない場合は依頼主と業者間での思い違いに繋がるため、警戒した方が良いでしょう。

完成した時の防音性能について、依頼主と業者で考え違いがあると、不満足な結果になりかねません。

 

２．マンションならではの防音工事に関する注意点

 

賃貸マンションの場合は、原状回復義務と用途遵守義務に注意が欠かせません。

まず、マンションを退去する時、借りている側に原状回復義務があります。

 

これにより、防音対策した分を、元戻りにして明け渡すわけです。

原状回復の際には、容易に元に戻せるように工夫しておくと、余計な工事費用がかからずに済みます。

 

次に用途遵守義務ですが、こちらは予め決められた用途で、物件を扱う必要があると言うルールです。

もし、勝手に防音工事をすると義務違反となる可能性があります。

最悪の場合、物件を追い出されてしまう危険性があるので、工事前には大家さんの許可を得るのが好ましい時もあります。

 

なお、マンションでは工事の際に騒音が出るので、これも注意点です。

賃貸物件はもちろん、分譲マンションでも、やはり近隣に迷惑がかかる可能性があるため、工事の際の騒音にも、配慮がある業者だと安心です。

 

３．マンションでの防音工事の内容とは

 

具体的な工事内容は、お部屋全体に対策を施す方法や、防音室を設置する方法などがあります。

お部屋全体に対策を施す場合は、床や天井、壁に遮音性の高い資材を使うなどして、音漏れを防ぎます。

 

このタイプはピアノなどの大きな楽器にも対応があり、同時に生活音やお子さんの騒音にも対応があるので、ファミリー世帯にメリットが大きいと言えるでしょう。

 

コスト的面などでメリットがあるのが、ユニットタイプの防音室です。

部屋の中に、防音対策を施した小さな部屋を作るような形で設置します。小さな楽器を演奏するケースや、趣味で時々楽しみたい時には検討してみてはいかがでしょうか。

 

なお、ドラムなどの振動が気になる楽器では、床に防振対策を施すことも大切です。

ギターなどの電磁ノイズに弱い楽器なら、その対策も同時に考えてみると、ワンランク上の環境で楽器演奏を楽しめるでしょう。

 

まとめ

 

マンションで楽器演奏を楽しむために、リフォーム工事で気を付けたい点は少なくありません。

特に工事を依頼する側と、業者側の思い違いによって予想と違う結果になるのは避けたいものです。

 

専門的な知識があって、相談や説明などを通し、しっかりと意思疎通ができる業者を選ぶのがおすすめできます。