防音工事のやり方といわれてもどのような工事かイメージしにくいといった方も少なくありません。
しかし、住宅内で気になる騒音対策や音楽の練習といった用途で問い合わせの多いリフォーム工事でもあります。
また、防音工事は簡単なものから本格的なものまで様々な工事が可能であり、専門の会社も少なくありません。
そこで今回は、防音工事のやり方についての情報を解説していきましょう。
防音工事は床・天井・壁に施工を行う
防音工事は、防音効果の材料を用意して施工することが主なやり方です。
実際、床、天井、壁に施工を行って防音効果を狙うことが特徴です。
次の項目では、具体的にどのような方法で防音工事を施行するのかについて解説していきましょう。
各防音工事の施工方法を紹介
最初に床の防音工事の施工方法は、床材の下に金具を取り付ける、吸音素材の充填といった2つのやり方です。
まず、床材の下に金具を設置していきますが、この金具は制振用のゴムの付いた金具です。
音は振動によって伝わっていくので床へ伝わった音の振動をゴムによって吸収し、伝わるのを抑える作用があります。
ドラムセットやグランドピアノといった重量級の楽器や家具、音響機材といった重量物の重さにも耐えられる構造なので、不安定な感じや破損といったトラブルが起きないようになっています。
次に吸音素材を床に充填する方法があります。
これは、グラスウールやロックウールといった繊維状の素材を敷き詰めていきます。
グラスウールやロックウールと聞くと、なんとなくアスベスト(石綿)のようなイメージを持ちますが、線維が太く肺に残りにくいことから健康被害が少ないとされています。
実際、国際がん研究機関と呼ばれる施設では発がん性は認められない物質として認められています。
このように比較的安全な素材を充填することで音の振動を防ぎ床に伝わっていくことを予防しているのです。
次に天井の防音工事は、吸音素材の充填、石膏ボードの設置といったやり方で行われます。
吸音素材の充填は先ほど紹介したグラスウールを用います。
これによって音を低減させ振動を抑える作用が期待できます。
天井のスペースは広いので、グラスウールのプレートのような建材を設置することが少なくありません。
天井の表面には、石膏ボードのパネルを設置していきます。
この石膏ボードも吸音素材として知られている建材で、貼り付けるだけでも天井への防音が期待できる素材でもあります。
最後が壁への施工で、遮音パネルの設置、遮音素材の取り付け、窓の交換といった施工が行われます。
遮音パネルは、遮音性の高い素材で作られたパネルを設置していきます。
これだけでも効果が期待できますが、内部の空気層がある部分に遮音素材(グラスウールの素材)を設置していきます。
壁は施工の効果が高いのでメインとなる音域に合わせて仕様を変更したりもします。
窓も二重にしたり、ガラスを遮音性のあるものにしたりといった施工を行う場合も少なくありません。
専門的な改造をする場合は窓の撤去などを行うこともあります。
このような方法で防音工事が行われます。
防音室を丸ごと設置する方法もある
防音工事とはやや異なりますが、防音室を設置する方法もあります。
室内に防音室のボックスを組み立てて、その範囲だけ防音をするという方法です。
テナントや簡易的な防音スペースの設置といった目的で行われます。
まとめ
防音工事のやり方は天井、床、壁といった部分で行われます。
いずれも方法が異なり、壁に関してはメインとなる音域に対してきめ細かく施工方法を変更する場合も少なくありません。
このような工事を行うことで防音工事が進められていきます。
また、防音室を設置する工事もニーズに応じて行われています。