防音工事について何となくは把握していても、実際、しっかり対策できる防音工事を計画するのは費用がかかります。マンションやビルなどならまだしも、戸建住宅にしっかりした防音工事はなかなかムリがあるでしょう。
そこでこの記事では、防音工事に近い施工方法についてご紹介します。この施工方法なら防音効果もしっかり得ることができます。ピアノのある注文住宅を建てる際や、中古住宅をリフォームするときに建築会社に相談してみてください。
音の伝わり方について
防音工事を施工するまえには、音の伝わり方をかならず調査します。この音の伝わり方には、物質を振動させて伝える「固体伝搬音」と、空気中に伝わる「空気伝搬音」があります。
また、音は建物に反射したり屈折したり、共鳴や回折、壁や床、天井などを透過や吸収しており、さまざまなカタチで異なる伝わり方をしています。
そのため、防音工事の施工方法には、どのように音が伝わっているのかを把握し、その伝わり方による適した防音工事が必要になります。
では、どのような防音工事や、それに近い施工方法があるのかを見ていきましょう。
防音材を使用する
ひと口に防音材といっても、「吸音材・遮音材・防振材・制振材」の4種類があります。
この防音材にはそれぞれ異なる性質があるので、防音させたい場所の「騒音」の性質に合わせて選びます。
それぞれの性質は以下になります。
吸音材
主にスポンジ状の素材で、住宅の断熱材としても用いられます。振動からなる音のエネルギーを熱エネルギーに変換させることで、音を軽減させる材質です。また、残った不快な反響音も吸収してくれるので、防音対策には必要な材質です。
遮音材
音が壁や天井を透過して向こう側に届いてしまわないように遮ることを目的に開発された材質です。コンクリート造の建物など、質量や面密度が高いほど、性能も高くなります。
防振材
衝撃を吸収して音が振動しないように働きかける材質です。
制振材
揺れを抑制し、共振を減少させる材質です。
このように、性質と騒音を照らし合わせて防音工事に必要になる材質を選び、床・壁・天井などに張替えリフォームを行います。
例えば、音が響く環境にて防音施工方法を検討しているなら、天井・壁の材質を吸音性の高い材質に変えます。
防音室を設置
防音工事のなかで、もっとも施工方法が簡易式であり、費用も抑えられる方法です。
騒音のもととなっているのがピアノなどの楽器であれば、その楽器の周りに組み立て式の防音室を設置する方法が提案できます。
石膏ボード壁など建物内に防音壁を設置し、音を吸収する施工方法など難易度高い防音工事にならず、パネルを組み立てるだけの施工方法なので、費用も抑えられます。この組み立て式の防音室の設置までの施工方法については以下のような内容です。
・対象楽器の騒音測定とレイアウトの相談
・見積もりと構造イメージの提案
・業者によっては簡易設置により使い方や効果をみることが可能です。
・正式な見積額の提示
・注文
・組み立てて納品
なお、防音室の効果についてご紹介しておきます。
防音室を設置することで騒音のもとを抑えることが可能です。外へ漏れる騒音や室内に残る騒音のレベルが下がります。
窓の防音工事
これまで紹介した防音工事以外にも、窓を二重窓にするなどの施工方法もおすすめです。外窓と内窓の空間に層が生まれ、防音効果を発揮します。
窓ガラスを複層ガラスや防音ガラスに変えるという施工方法もあります。この場合、二重窓より効果は劣りますが、二重窓と併用するとより高い防音効果を期待できるでしょう。
おわりに
窓ガラスを複層ガラスや防音ガラスに変えるという施工方法もあります。この場合、二重窓と併用するとより高い防音効果を期待できるでしょう。騒音はトラブルのもとになるので、適した施工を計画してみましょう。